活動報告

本会議一般質問

平成31年2月 富山県議会本会議 自民党統括質問


問1 安全・安心な暮らしの実現について

(1)富山県国土強靭化地域計画やアクションプランの拡充・強化を図り、強靭な県土づくりを推進するべきだが、所見を問う。

知事 県としては、公共・主要県単独事業を合わせて、2月補正予算では前年度を11%上回る179億3,900万円を、新年度当初予算案では今年度を15.4%上回る857億4,400万円を計上など、大幅に拡充し、新年度に見直しを図る。見直しでは、

①新幹線や高速道路の4車線化
②集中的な大雪時の道路・鉄道等の確保

について検討する。

(2)県立大学看護学部の運営理念と具体的運営方針を問う。

知事 運営にあたっては、

①認知症ケアの高い看護実践力を培う。
②手厚い教員配置による細やかな教育。
③学生への学習の支援と、看護学と工学が連携した特色ある科目の開設で質の高い看護人材を育成する。

県内の公的病院での充実した実習や、きめ細やかに対応した就職支援を行う。また新たに「富山県看護学生修学資金貸与制度」の優先枠(30名)を設け、県内定着につなげたい。

(3)「障害者差別解消条例」や「手話言語条例」、「第4次県障害者計画」の理念や目的の実現に向けた取り組みを問う。

厚生部長 障害者差別解消条例の施行により、相談体制の周知や新年度若年層への普及啓発に取り組む。加えて、地域相談員に民生委員・児童委員を明示する条例案を今議会に上程する。また、手話言語条例により、ろう者と相互に理解し共生する県づくりに向け、新たに手話を学ぶキャンペーンを実施し、理解普及に努める。本年から5年間を計画期間とする第4次障害者計画では、「とやま型地域共生社会」の実現を基本理念とし、社会基盤・生活基盤の整備をはじめ、400を超える施策を展開することとし、今月末の策定予定である。

(4)在宅医療の利用者が増える中、体制構築を図るべきと考えるが、所見を問う。

厚生部長 本年度から、郡市医師会が行うICTを活用した地域医療・介護連携の情報共有基盤整備を支援し、本年度は新川・中新川・南砺でシステムを整備、新川圏内では病院、介護事業所など91施設が参加連携している。新年度から「訪問看護サポートステーション」の医療圏ごとの設置に取組み、在宅サービスの充実を図る。

(5)漁業者の不安解消のため、連携排砂による影響を最小限に抑える排砂方策を策定すべきと考えるが、所見を問う。

知事 去る2月19日開催の土砂管理協議会で、

①海洋生物への影響調査や深海の底質調査により漁業者の不安を払拭する
②漁業者の要望に応じた漁業振興策を講じる
③ダム下流の河川内に堆積する土砂撤去

も要請した。

これに対し、排砂実施機関からは、

①新年度の環境調査では、深海の泥を採取して分析する底質調査
②河川・海域の底に生息する水生物への影響分析を実施
③宇奈月ダムから河口までの土砂動態が自然に近い形で連携操作する

予定である。

(6)イタイイタイ病を克服してきた歴史を踏まえ、今後どう循環型社会の形成に向けて取り組むのか問う。

知事 今後は、「1/3ルール」について、「飲料及び賞味期限180日以上の菓子」の納品期限を「1/2ルール」へ緩和する商慣習の見直しや食品ロスの削減に取り組む。資源ごみ回収拠点の認定・PRやエコ・ストアにおけるトレイ、ペットボトル回収などを促進し、コンビニも含めたマイバッグ利用促進や、プラスチック利用の再点検にも取り組む。

(7)中国の廃棄物輸入規制を受け、プラスチックごみを含む廃棄物の処理状況や最終処分場への影響と今後の対応について、問う。

生活環境文化部長 平成29年度実績は、一般廃棄物40万8千tで、埋め立ては3万8千t。プラスチックごみの排出量は不明だが、資源化できるプラスチックごみ7千tはリサイクルしている。産業廃棄物438万8千tの大部分は、県内処理事業者などで減量化・リサイクルされ、埋め立て19万7千t。内プラスチックごみ排出量は11万4千tで、5万5千tがリサイクルされている。
最終処分場の残余年数は、一般廃棄物で約18年、産業廃棄物で約32年であり、調査で著しい保管量超過はみられず、不法投棄もみられなかった。

(8)高齢運転者の交通事故防止に向け、関係部局・機関が連携し推進すべきだが、所見を問う。

知事 対策として、

①サポカー体験型交通安全教室
②高齢者の特性を踏まえた交通安全教室
③「夜間の運転を控える」「速度を控える」

など予め遵守事項を自主的に宣言する「やわやわ運転」などに取り組んでいる。 新年度は、全国初となるバスロケーションシステム導入により、公共交通の維持活性化を図る。


問2 地域経済の活性化について

(1)グローバル競争を勝ち抜く本県産業振興に向けての取り組みを問う。

知事 取りまとめた「新・富山県ものづくり産業未来戦略」を踏まえ、

①「くすりのシリコンバレーTOYAMA」や「とやまアルミコンソーシアム」、「とやまヘルスコンソーシアム(仮称)」の形成を目指し産学官連携で取り組む
②総合デザインセンターに設置するバーチャルスタジオのVR技術を活用した効率的なデザイン開発へ支援
③「富山県人材活躍推進センター」の創設など人材育成・確保を図る。

また、新たに「とやまイノベーション推進会議」を設置する。

(2)国の移住支援金制度を活用し、市町村や経済団体等と連携・協力し、UIJターン希望者の掘り起こしや就業・起業に向けて取り組むべきと考えるが、所見を問う。

知事 新年度は、

①国の移住支援金制度を最大限に活用、4月上旬の事業実施を目指し、
②最大300万円が支給の国の起業支援金の活用と、UIJターンを希望する若者向け起業家育成プログラムを実施する

ほか、富 山オフィスの増 員やSNS活用でポータルサイトを構築することで求職者向けワンストップサービスを行う。また、

①県内の企業で複数企業間インターンシップの実施
②市町村と連携した移住セミナーやフェアの開催
③新設の人材活躍推進センターと連携し、移住者などの就労支援

に取り組む。 更に、本県の住環境や子育て環境の良さを実感できるツアーや移住・転職フェアでのPRを行う。建築甲子園優勝の富山工業高校の提案を活かし、旧県職員住宅活用の整備準備も進める。

(3)通年での誘客促進のため、地域の祭りや行事にスポットを当てた県内周遊型、滞在・体験型観光商品に取り組んではどうか、また、地域振興の観点から支援してはどうか問う。

知事 県では、祭りや行事を取り入れた観光商品として、

①伏木けんか山と高岡散策ツアー
②高岡御車山まつりの観覧ツアー
③あさひ舟川の「春の四重奏」とかがり火の夜桜ツアー商品造成

に取り組んでいる。ふちゅう曲水の宴は、歴史伝統ある大変すばらしいもので、地元の皆さんの力で長年続けてこられたことに大変感心した。こうした有望な素材について、県として支援を検討したい。さらに、総合政策局に「地域振興・中間対策室」を新設、その下に「中間地域対策課」を置き、特産品の開発や販売だけではなく、伝統芸能や祭りの継承・復活への支援も検討する。

(4)訪日外国人観光客の観光消費の拡大や消費額の増加に向け、今後どう取り組むのか。

観光・交通・地域振興局長 欧米豪からの誘客は、

①旅行サイトと連携したセミナーの開催やオンライン広告の配信
②東京都と連携した海外メディアやWEBサイトでの観光PR
③北陸新幹線沿線県等と連携した誘客

などに努める。受入環境整備は、とやま観光未来創造塾や「おもてなし五つ星制度」による人材育成に加え、多言語表示やキャッシュレス化、消費税免税機器の導入などに取り組む。

(5)公共事業費の大幅な増加が見込まれるが、円滑な執行や早期の事業効果の発現、県内建設業の育成や人材確保に向け、今後の取り組みを問う。

土木部長 県では、

①ゼロ県債の拡充を含む債務負担行為の活用や繰越明許費の適切な設定による発注の平準化
②地域の実情を踏まえた適切な規模・発注方法等への配慮
③工事現場の問題に対し、ワンデーレスポンスの徹底や、余裕期間制度を活用した工事の試行

など、受注者の負担軽減と工事の迅速化にも取り組んでいる。

また、建設企業の育成や人材確保に、

①経営相談に対する専門家の派遣
②資格取得のための講座や技能向上研修費用への支援
③働き方改革を促進する週休2日制モデル工事の試行
④ICT技術の県内建設企業への普及

にも努めている。

防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策もあり、より一層、効果的・効率的な執行に努め、県内建設企業が存続するよう、しっかりと取り組む。

(6)外国人技能実習生の就業状況の調査結果と今後の就農者受入体制について問う。

観光・交通・地域振興局長 欧米豪からの誘客は、

①旅行サイトと連携したセミナーの開催やオンライン広告の配信
②東京都と連携した海外メディアやWEBサイトでの観光PR
③北陸新幹線沿線県等と連携した誘客

などに努める。受入環境整備は、とやま観光未来創造塾や「おもてなし五つ星制度」による人材育成に加え、多言語表示やキャッシュレス化、消費税免税機器の導入などに取り組む。

(7)畜産業の振興を図るため、今後どう取り組むのか問う。

農林水産部長 高校生を対象とした体験研修や、離農農家の施設が新たな農家に継承されるようマッチング等を支援する。負担軽減のための新技術導入に加え、県獣医療計画の見直しを前倒しして新たな獣医療体制を検討し始める。


問3 明日を拓く人づくりについて

(1)学校及び教員が担う業務負担の見直しを今後どう進めていくのか問う。

教育長 本県では学校安全パトロール隊に登下校時の見守りなどの協力をいただいているが、更なる業務見直しが必要。教育委員会では、国のガイドラインを参考に県立学校における教員の勤務時間の上限に関する方針を策定し、勤務時間縮減の実現に向け見直しを進める。

(2)幼児教育の質の向上を図るため、今後の取り組みを問う。

知事 「富山県教育大網」において、「幼児教育の充実」は主要施策の一つ。新年度、教育委員会に幼児教育センターを設置し、幼児教育の向上に取り組む。センターでは、幼児教育の内容や指導方法等に関する検討を進め、幼児教育アドバイザーを幼稚園や保育所等に派遣する。さらに、非認知性能力の育成をテーマに、幼児教育施設の教職員や小学校教員等を対象にフォーラムや研修会も実施する。

(3)高等学校における特別支援教育の充実、発達障害等困難のある生徒の全日制への進学の現状、定時制の通級指導の評価と併せて、問う。

教育長 平成29年度に、中学校の特別支援学級や通級指導教室に在籍した170名の進学先は、県立高校全日制19名、定時制34名、私立高校50名、特別支援学校高等部59名。すべての県立高校では、校内委員会を設置し発達障害を含む障害のある生徒の実態を把握、接し方や支援方法に共通理解を図っている。また、今年度から定時制高校での通級指導は、丁寧な指導で改善に意欲的になったとの声もある。

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